トレードの世界で最も有名な言葉のひとつ――「損小利大」。

小さく損を抑え、大きく利益を伸ばす。

理想の形として誰もが口にするが、現実にはほとんどのトレーダーが逆をやっている。

 

“損小利大”は武士道。

だが誤解すれば、ただの空論に終わる。

 

■ 損小利大が実現できない理由

• 損切りが遅れる

　「まだ戻る」と願望に支配され、損が膨らむ。

• 利確が早すぎる

　含み益が減るのが怖くて、すぐに手仕舞いしてしまう。

• ルールが曖昧

　「どこで切るか、どこまで伸ばすか」を決めていないため、感情に任せてしまう。

 

結果はいつも逆。

損大利小――退場者の典型パターンだ。

 

■ 武士道としての“損小利大”

 

武士は「死ぬ覚悟」があるからこそ、刀を抜いた。

同じように、トレーダーも「損切りの覚悟」があるからこそ、利益を伸ばせる。

• 損を小さく受け入れる勇気

• 利を伸ばすために恐怖に耐える胆力

• ルールに従い、感情を斬る決断力

 

これらを備えた者だけが、“損小利大”を実現できる。

 

■ 誤解された損小利大

 

「損を極端に小さくすればいい」

「利をどこまでも伸ばせばいい」

 

こうした単純な解釈は破滅を招く。

損切りがタイトすぎればノイズで何度も狩られ、利を伸ばしすぎれば幻の利益になる。

大切なのは 相場の構造に沿った適切な損益比率 だ。

 

■ 損小利大の実践三原則

 

１．損切り位置を相場構造で決める

　直近高値・安値、サポレジを基準に置く。

 

２．リスクリワード比は最低1:2

　数十回の統計でプラス期待値を持つ比率を維持する。

 

３．利確ルールを習慣化する

　部分利確やトレーリングを用い、感情を排除する。

 

■ 最後に

 

“損小利大”は、口で言うほど簡単ではない。

だが、それを実践できる者は2％の生存者に残る。

 

“損小利大”は武士道。

損を受け入れる勇気なくして、利を伸ばす未来はない。