「勝率90％の手法！」

「勝率だけで安定して勝てる！」

 

こうした甘い言葉に惹かれるトレーダーは多い。

だが現実は――高勝率は幻想にすぎない。

 

勝率だけを追い求める者は、最後に必ず破滅する。

真に生き残る者が見るのは 期待値 である。

 

■ 高勝率トレードの罠

• 損切りを極端に広げる

　勝率を高めるために損切りを遠く置けば、一撃で資金が吹き飛ぶ。

• 微益での利確を繰り返す

　小さな利益を積み重ねても、たった一回の損切りで全て消える。

• 心理的な錯覚に陥る

　勝率が高いと「自分は勝てる」と思い込み、ロットを膨らませて大損する。

 

「コツコツドカン」の典型だ。

 

■ 期待値こそ生存の羅針盤

 

期待値とは、1回のトレードで得られる平均的な利益のこと。

 

期待値＝（勝率×平均利益）－（敗率×平均損失）

 

この数字がプラスでなければ、どれだけ勝率が高くても口座は減り続ける。

逆に勝率が50％未満でも、リスクリワードが大きければ資金は増える。

 

■ プロの視点は「確率」

 

プロは「勝率」よりも「確率の積み重ね」に集中する。

• 損小利大で期待値をプラスに保つ

• ドローダウンを許容範囲に収める

• 長期的なトレード回数の中で優位性を発揮する

 

つまり「勝つか負けるか」ではなく「長期で資金曲線が右肩上がりか」を基準にしている。

 

■ 高勝率を追う者と期待値を見る者の違い

 

• 高勝率信者 → 負け一回で口座破綻

• 期待値信者 → 負けても統計的に資金が増える

 

この違いは数週間ではなく、数年単位で圧倒的な差となって現れる。

 

■ 期待値思考を身につける三原則

 

１．トレード日記でデータを集める

　勝率・平均利益・平均損失を数値化する。

 

２．リスクリワード比を固定する

　最低でも1:2以上を徹底し、勝率依存を排除する。

 

３．短期の勝敗に一喜一憂しない

　10回ではなく100回、1000回の積み重ねで判断する。

 

■ 最後に

 

勝率に酔いしれる者は、必ず「一撃」で沈む。

期待値を武器にする者だけが、長期で生き残る。

 

高勝率は幻想。

期待値を知らねば破滅する。