トレードの世界で最も甘美で、最も残酷な武器――それが レバレッジ だ。

 

少ない資金で大きな利益を狙える魔法のような仕組み。

しかし、それを欲望に任せて振り回した者は、自らの喉元を切り裂かれる。

 

レバレッジは両刃の剣。

正しく使えば力、誤れば死。

 

■ レバレッジの甘い罠

• 10万円で数百万を動かせる

• 一晩で資金を倍にできるかもしれない

• 少ない元手で「億」を目指せる

 

これらは全て事実だ。

だが同時に、10万円が一晩でゼロになることも事実である。

欲に支配され、限界までレバレッジをかけた者の結末は一つ――退場だ。

 

■ プロはレバレッジを「守り」に使う

 

誤解してはならない。

プロはレバレッジをギャンブルのために使わない。

• 余裕を持った資金で

• 小さな値動きを効率よく取るために

• リスクをコントロールする道具として

 

つまり、レバレッジは「資金効率を上げる補助輪」であり、「一撃必殺の大刀」ではないのだ。

 

■ レバレッジで死ぬ典型パターン

• ロットを欲で膨らませる

　「もう少し増やせば一気に取り戻せる」――そして口座破綻。

• 損切りを置かない

　レバレッジをかけた状態で損切りを怠れば、わずかな逆行で資金蒸発。

• 複数ポジションの同時保有

　管理できないロットを積み重ね、雪だるま式に損失が膨らむ。

 

これらは全て「欲望が剣を振り回す」姿だ。

 

■ レバレッジを制御する三原則

 

１．リスクは資金の2％以内

　どんなに自信があっても、このルールを破った瞬間、剣は自分を斬る。

 

２．ロットは計算で決める

　「資金量 × 許容リスク ÷ 損切り幅」で導き出す。感情ではなく数学に従え。

 

３．余裕を残す

　常に証拠金維持率を高く保ち、強制ロスカットの恐怖から解放されること。

 

■ レバレッジを「鞘に収める」

 

本当に強い者は、剣を振り回さない。

必要なときだけ抜き、最小限の一撃で仕留める。

 

レバレッジも同じだ。

普段は低レバレッジで鎧を固め、ここぞという局面でのみ力を解き放つ。

それが生き残る者の戦い方だ。

 

■ 最後に

 

レバレッジは両刃の剣。

振り回せば、自らを斬る。

 

だが制御できれば、最大の武器となる。

 

剣を恐れず、剣に溺れず。

レバレッジを支配せよ。